偽装請負 その2

先日ここに書いた”偽装請負”の話題が広がっています。
一体、何が原因なのか・・・?

新聞などの報道を見る限り、ここまで”偽装請負”を疑われている企業(系列会社を含む)として、トヨタ、松下、シャープ、キヤノンあたりの名前が挙がっています。ご存知の通り、全て日本が世界に誇るべき会社で、世界でもトップレベルの製造業です。
彼らのビジネスモデルや生産方式は、学問として研究されるレベルであり、世界中で参考にされています。しかしながらそんな彼らも「モラルリーダー」としての役割は果たせていなかったということなのでしょう。
逆に考えると、過度の生産性向上施策の行きついた先が”偽装請負”だったのかもしれません。

専門的な考察は抜きにするとして、僕なりに考えれば、これはバブル崩壊後の人員削減や工場閉鎖なんかで立ち直った企業が、再び拡大をする中でこうした偽装請負という構造が生まれてしまった、と考えています。リストラという名のもとに行った”人員削減”で企業は生き延びた部分もあり、不景気になった際に再び人員削減という人間的には決してやりたくない施策をとりたくない、正社員は派遣労働者に比べてコストが高い、といった理由が今騒がれているものの原因なのではないでしょうか?

僕の勤めているIT業界はもっと深刻で、業界の構造自体が”偽装請負”前提で出来あがってしまっています。もう、下請けが偽装請負状態で仕事するのが当然、というおそろしい状態。しかもまずいことに、偽装請負で働かされている人間もそれが当たり前だと思っている。

僕の聞いている限られた情報の中でも、大手SIerの人間の大半は、実際にソフトウェアを開発するようなことはないそうです。彼らのお仕事はいわゆる現場監督。それゆえ、技術的な話しなんかぜんぜんダメな人もいるそうです。で、彼らは下請けに開発作業をやらせて、中間で「ピンハネ」して稼いでいるわけです。どこの業界もそんなことはあるとは思うのですけど、もう1つこの業界がダメなのが、労働者の意識。

上にも書いたように既に”偽装請負”が当たり前なのです。
生まれてこの方、そういう仕事の仕方しか知らないから、全くおかしいと思っていない・・・それでも今回の報道で自分の仕事の仕方が偽装請負にあたるんじゃないか?と気にする人が出てきた。でも、それはごく1部だし、現場の作業者が中心。

日常、お客と契約を結ぶ営業担当者はこれと違ってまだ何も気付いていない。
「派遣契約」と「請負契約」の違い、というか種類があることすら知らない管理職ってのもザラ。
下手すると、会社はどんな契約を結べばいいの?って聞いて来たりする・・・
はっきりいってこれまで、この人達は何をしてきたのだろうか?って人が圧倒的に多い。

さらに言うと、経営陣の中にもこんな人々は多くて、未だに「お客の言うことに従わなければ仕事が無くなるから、偽装請負やむなし」って公言する人がいる。
それが神様のようにあがめている「お客」を下手すりゃ窮地に追い込むってことがわかっていない。生まれたときから「お客さまは神様です」で育っている38度線の北側の人々のような感じだから、当分IT業界は変わらないかも。

でも、ある日、大手が労働基準監督署に刺されて、大混乱になるような気がしている。
そのとき、顧客盲従主義の経営陣はどうするんだろうか?
下手すりゃ自分達がさらに下請けに仕事を出していることが罪に、職業安定法違反に問われることがあるのだ。そんときは社員になんて申し開きすんだ?

こんな状況でも、お盆だから休むってのだけ優先する姿には、感心しております。

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