会社法と金融商品取引法における内部統制について

日曜日は少し真面目に。
タイトルに書いた内容について、簡単にまとめた文章です。
上司他に報告したレポートが原文なので、ちょっと文体が説明口調ですが、どうぞ。

会社法が求める内部統制と金融商品取引法が求めている内部統制は何が違うのか?
端的に言ってしまえば、それは「対象とする範囲」である。
一般的に言われる内部統制システム構築の目的は企業が「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の遵守」が挙げられる。
当然、これは最低限かつ原則的なもので金融庁は目的の1つとして「資産の保全」を前述の3つに加えているが、あくまでも原則的には先に書いた3つになる。

会社法が求めている内部統制の「範囲」は会社法施行規則を読む限り、上記の3つ全てを含んでいると考えられる。「法令定款への適合」「業務の有効性」といったキーワードは条文を読む限り明らかである。
「財務報告の信頼性」に関してだけ、それらしい文言は入っていないが、会計(財務報告)に関する法令基準を遵守し、その信頼性を確保するという風に考えれば、「法令定款への適合」というあたりから導くことができる。
従って会社法で求められている内部統制とは「広い範囲(広義)」と考えることができる。

次に金融商品取引法の求める内部統制であるが、この対象は既に明確で、「財務報告に係る内部統制」となっている。これは同法の所管が金融庁であり、同庁の所管範囲の中に要求事項を限定しているからである。
もちろん金融庁も「財務報告の信頼性確保」のためには「業務の有効性及び効率性」とか「法令遵守」というものが欠かせないことは理解しているし、財務報告に範囲を限定しているとは言え、「法令遵守」などの観点は当然意識しているはずである。
ただ、あくまでも金融商品取引法の求めている内部統制は財務報告が対象なので、会社法と比較した場合、範囲としては「狭い(狭義)」と考えることができる。

以上を踏まえると、会社法も金融商品取引法も求めているものは本質的に同じであり、徒に区別して考えることは不毛であり、非生産的である。従って内部統制システムの整備を行う場合、まず広義の内部統制である「会社法」の部分、特に内部統制の基盤、COSOモデルで言うなら「統制環境」の一部となるコーポレート・ガバナンスに関する部分を優先的に整備する必要がある。

ただし、会社法は内部統制の整備を項目以外はあくまでも各社の「自己基準」に任せており、どこまでやればよいのか?ということが明確になっていない。
万が一、不祥事が起きた場合に取締役の「任務懈怠」が争点になるという話である。
反面、金融商品取引法はまだ公開されていないとはいえ、「実施基準」を定めており、その内容しだいでは対象範囲が違うといって未整備にしていた、会社法で求められている内部統制に関する部分の修正も必要となってくることを忘れてはいけない。

と、だいたいこんな感じで僕は考えています。
他にも考え方、アプローチの仕方はたくさんあると思いますが、
僕の会社で、全くこの手の話に関心、理解、興味、認識の無い人々に説明する際には、
この論法で説明する予定です。
世間一般の経営者のみなさんに、会社法と金融商品取引法で求められる内部統制の違いはなんですか?なんて聞いたって、どうせすぐに答えられる人はごく少数でしょうし、
それを理解してもっても、必要なのは実際の行動であり、その行動への理解なはずです。

ちょっと長くなりましたが、”わかりやすく”というのが大事だと思っています。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 証券歴史

    Excerpt: 証券が現われてから、商品取引が活性化したり、投資案件が巨額になると証券化が進みました。日本においては、酒田市(山形県)において、江戸時代に米の証券化が進んでいました。米穀証券はそのまま家臣へ禄として支.. Weblog: 中国株をするならユナイテッドワールド証券が最適 racked: 2006-12-16 16:53
  • 金融商品取引法とは

    Excerpt: 金融商品取引法の豆知識です Weblog: お得情報の豆知識 racked: 2007-03-25 10:04
  • 金融 商品 取引法

    Excerpt: 金融商品取引法(きんゆうしょうひんとりひきほう(改正法の施行までは証券取引法(しょうけんとりひきほう));昭和23年4月13日法律第25号)とは、「国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため、有.. Weblog: 金融@金融 racked: 2007-04-25 01:47
  • 内部統制の重要性

    Excerpt: 内部統制とは、企業などの内部において、違法行為や不正、ミスやエラーなどが行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるよう各業務で所定の基準や手続きを定め、それに基づいて管理・監視・保証を行.. Weblog: 内部統制システムによる内部統制 racked: 2007-05-26 01:24
  • 金融商品取引法

    Excerpt: 金融商品取引法は、証券取引法などを抜本的に改正し成立したものです。さまざまな金融商品について開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどにより、国民経済の健全な発展と投資者の保護を目指して成立した法律.. Weblog: たーしの徒然なるままに racked: 2007-06-15 10:46
  • 金融 庁

    Excerpt: 金融庁(きんゆうちょう、Financial Service Agency)は内閣府の外局で、国内外の金融行政の企画立案のほか、金融機関の検査・監督を行っている。金融庁の長は金融庁長官。また、長官とは別.. Weblog: 金融 racked: 2007-10-14 09:30
  • 貸し渋りが始まるかも

    Excerpt: 以前に異業種交流会で知り合った友人から、突然電話があった。彼は、中規模の金融関係の会社に勤めているのだが、なんとその会社では当面の間、新規の融資受付を凍結するという。金貸しが商売の会社が、融資をしなく.. Weblog: 期間工から資格取得、社労士開業 racked: 2007-10-18 19:07
  • 金融商品取引法

    Excerpt: 金融商品取引法は、証券取引法などを抜本的に改正し成立したものです。さまざまな金融商品について開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどにより、国民経済の健全な発展と投資者の保護を目指して成立した法律.. Weblog: たーしの実用メモ racked: 2007-10-29 16:41
  • 日経225先物取引でがっつり稼ぐ方法(11月16日)

    Excerpt: 本日は、方向性には乏しいボックス相場でしたが、値幅があり、やりやすかったように思います。要所で髭... Weblog: 日経225先物取引でがっつり稼ぐ方法 racked: 2007-11-17 00:11
  • 日経225先物取引でがっつり稼ぐ方法(12月14日)

    Excerpt: 更新が遅れてすみません。結膜炎にかかりまして、大引け後にすぐに眼科に行きました。今は充血がひどい... Weblog: 日経225先物取引でがっつり稼ぐ方法 racked: 2007-12-15 16:35