労働法制の見直し

「労働法制見直し検討の厚労省分科会、2か月ぶり再開へ」
今日はこのニュースを取り上げて見ます。

(1)年収が一定水準以上の人の残業については、割増賃金の適用除外とする自律的労働時間制度の導入
(2)月30時間を超える残業に対する割増賃金の最低基準を現行の25%から50%に引き上げる

という2つの柱を含む労働法制の見なおしを検討していた厚生労働省の分科会の活動がとまって早2ヶ月。労使双方から、そっぽを向かれどうにも立ち行かなくなっていた状況を何とか打開しようという動きが出てきたようです。

ま、この審議会が労使双方からそっぽを向かれるのは当然で、「残業代を払わなくてよい」というアイデアや「払う残業代はいまの倍」なんてアイデアは到底現実的ではなく、どうも小手先の印象がぬぐえません。

例えば、”一定水準以上”という年収のラインをどこに引くのか?
このラインの引き方次第では、大きく賃下げ(収入減)になる人がでてくるわけですし、
ただでさえ「エセ管理職」として、残業代を不払いにされている人やサービス残業させられている人の問題を放置して、こんなアイデアを通そうとしても労働者はついてきません。

反面、残業代の割増率を50%にする、というのも暴論。
そうすれば残業が減って、少子化対策になるとでも思っているのかもしれませんが、そもそもなぜ残業が長時間に及ぶのか、ということを分析して、構造的に解決しないと企業が破綻する。残業代破綻なんてことになったらそれこそ本末転倒ですからね。

身近なところで言えば、IT業界はこの両方を取られたら多分破綻する企業がでてきます。
IT業界は商慣習自体が「原始的」で口約束で仕事を未だにしている業界ですし、建設業界をはるかに上回るITゼネコンがのさばっているので、2次請け以下の企業が独自に従業員の労働時間を管理できるような仕組みにはほとんどなっていません。
しかも残業が多いので、労働基準監督署には目をつけられている。
さらに偽装請負も恒常化しているし、条件こじつけの裁量労働制まで導入している企業もある。こんな出たら目満載の状況で上記の1、2ともに実行したら企業はさらに”エセ管理職”を増やして残業代をケチろうとするし、労働者は出来る限り30時間以上の残業を適度に行って収入を増やしたくなるという相反する行動とモラルハザードが起きてしまうのでしょう。

今後、分科会でどのような結論が出るのかはわかりませんが、
実態に即した答申、もしくは実態を良くするような答申を望みたいものです。

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  • 自律的労働時間制度

    Excerpt: 残業代がもらえない・・・? ほとんどの人は、プラス残業代で生活してるんじゃないの? これは大問題ですよ。ちゃんと整備された基盤(保障)があっての制作にしなければ。。。 Weblog: ライブドアブログでHOTなアフィリエイト 情報 racked: 2006-11-09 00:33